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脇本 克彦 氏 – 足柄人〜あしがらびと〜 足柄地域で頑張る企業人を応援します!
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町を盛り上げるため商工会の制度を利用された方々をご紹介します。

モットーは使い手の気持ちに立って

 開成町牛島に位置する開成工芸は、コスメボックス(化粧箱)、メディスンボックス(薬箱)、ジュエリーボックスなど箱物をはじめ、スタンドフォトフレームや木製トレイなど日常の中でさりげなく使用されている生活用品中心に木工製造を行っています。創業は100年前、現在の脇本社長で4代目となります。
 工房はまるで昭和時代のなつかしい校舎のような広さ。もちろん木で組まれた建屋の中に最新の切削加工用のNCルーターや年期の入ったテーブルソーやサンダー、ボール盤が並んでいて、木を切削加工しているので大量に出る木屑や細かい塵で脇本社長も全身真っ白な状態だったりします。

 「モットーにしていることがあるんです」と脇本社長。「うちの製品はとても細かいんです。切り出して揃えて組み立てる。そして一品一品やすりで磨く。木工製品はご存じ通り生きているんです。しっかり揃えて完成しても湿気や乾燥によって蓋が閉まらなくなったり、逆に隙間が空いたり、時にはへそを曲げたように反ってしまうんですよ。木の性質を見極め動きを予測して製作するんです。大量生産に気の遠くなるような作業と細かな微妙な調整に従事していると投げ出したくなる感覚に襲われるんですけど、どんな時でも使う人を想像して作るようにしています。そうすると集中できるんです。使い手の顔を想像することでよい製品に仕上がります。当たり前にシンプルなことですがとても重要なことだとおもうんです。」と鼻先を真っ白にしながら話してくれた脇本社長の目はキラキラしていたのが印象深く、その方の人となりを物語っているように感じた。

コロナ禍が教えてくれました

 「縁があって急遽ホームページを作ることが出来たんです。そしてネットショップも併設しました。」と脇本社長。神奈川県の再起支援型の補助金を利用して自社事業をホームページで幅広く公開し、長年培ってきた経験と技術を活かしたオリジナル商品を作りあげました。先ずはマスクボックスです。今後も当たり前のように日常家族が使うマスク、取り出す箱が木箱だったらそれだけでも柔らかさを感じることができます。
 コロナ禍になる2年ほど前までは少しづつではあるが、売り上げは伸ばしてきていたとのこと。「ウチは固定の取引先がほとんどで、そこからの受注で十分だったんです。いわゆるB to B事業。良くもなく悪くもなく、普通といった感じで真面目に過ごしてきました。それがコロナ禍により、具体的にいうと箱根などの観光客が激減した結果、お土産が売れなくなり、ウチが提供するような製品や部品も全く動かなくなる状況に出くわしました。こりゃーやばい!!と感じた時に、ふと振り返った時に、自社を紹介する物が何もなかったんです。自社オリジナル商品もなければパンフレット、ホームページはもちろんSNSも全く利用していませんでした。ここで初めて開成工芸の今後の進み方を考えました。
自社最大の設備であるNC旋盤は複雑な加工も正確に切り出してくれます。2台あるNC旋盤中心に私たちの手作業技術を更に融合させ、開成工芸オリジナル製品を棚に並べる環境を整えたんです。」

 開成工芸を覚えてもらうためにロゴもつくりました。自社完結の商品開発から製造、販売ラインができたことで開成工芸の今後が面白くなってきた感じがします。
そういえば小さいころ各家庭にあった木の薬箱、いつの間にかあまり見なくなりました。開成工芸さんにお伺いし、どこか安心感を覚えたのは薬箱を見かけたからかもしれません。

 「正直コロナ禍の影響は今後どこまで続くのか読めません。やはり自立して販売していける環境とノウハウは必要だとおもいます。最低限の環境は整いました。スタートはこれからですが、積み重ねていかなければいけませんね。」
どういう展開をするのかと聞いたら「食品ロスじゃないけどうちは端材ロスを減らすのが一番効率よいですね。」と大量にでる端材を二次加工し、スマホスタンドや女性や子供が好む小物類や台所製品を意見を聞き、企画製作販売してみます。」
 販売状況を見極め状況に応じて次の商品を並べてみる。「模索状態ではありますけどフットワーク利かせて展開していきます。」と力強くおっしゃってました。

小さな町から小さなおもしろい木工製品誕生してきそうです。開成工芸さんの今後が非常に楽しみです。

脇本 克彦 氏
開成工芸株式会社

脇本 克彦 氏

Profile
店名開成工芸株式会社
所在地〒258-0022 神奈川県足柄上郡開成町牛島81
TEL0465-82-0610
メールアドレスshop@kaisei-kougei.net
定休日日曜日
ホームページhttps://kaisei-kougei.net/

「どんな時でも使う人を想像して作るようにしています。そうすると集中できるんです。使い手の顔を想像することでよい製品に仕上がります。当たり前にシンプルなことですがとても重要なことだとおもうんです。」と鼻先を真っ白にしながら話してくれた脇本社長の目はキラキラしていました。
【足柄上商工会・令和2年度伴走型小規模事業者支援推進事業】