people足柄人

町を盛り上げるため商工会の制度を利用された方々をご紹介します。

創業50年
家族で

 
 
 国道255号線、御殿場線の跨線橋から見える店構え。三谷たたみ店が小田原市の板橋から、この地に移転して約40年になるそうです。
 初代の一利さんのご実家は板橋の地蔵通りを代表する石材店でしたが、お父上が早逝され、親戚の畳店に丁稚奉公へ。10年間の修行ののち独立。これが三谷たたみ店の始まりとなります。
 現在、お店を切り盛りするのは二代目の誠さん。思春期のころは家業を継ぐつもりはなかったそうですが、高校卒業後に埼玉県にある畳職業の訓練校に通ったことにより、興味がわいてきたとか。
「けっこう難しいなぁと思ったら、俄然ヤル気が出てきたんですよ」と誠さん。
 職人気質の血がめざめたようです。

思い立ったら
「現地で学ぶ」がモットー

 
 
 訓練校を卒業したあとも、誠さんの畳職人に対する情熱は冷めませんでした。
 まずは、畳表の産地の本場である熊本まで、なんとバイクでふらっと突撃旅。現地でイグサの生産者農家の方を紹介していただき、1か月半もの間、作業のお手伝い。その様子は、地元のラジオ番組でも紹介されたそうです。
 ちょっと残念だったのは、長野の善光寺まで赴き、善光寺の改修に携わる出入り職人に密着修行していたときのこと。三谷たたみ店の名を広めた技術を習得したことは大きな収穫ではあったものの、「長男が歩き始めた姿を見ることができなかったんですよね」と、ちらっと父の表情を見せてくれました。

時代の変化を見据えて、
守る伝統技術と得る新鋭技術

 
 
 三谷たたみ店の名を広めた技術というのは、寺社仏閣で使われる有識畳を仕上げる技術。紋縁とも呼ばれ、縁の紋様のつながりが、角などでもきっちりきれいにおさまっているもの。手に負えない同業者からも依頼がくるといいます。
 また、現代の住宅事情にあわせた薄畳や、椅子の座面や車の荷台などに合わせた形の畳、変形の部屋の畳など、さまざまな要望にこたえます。
 「最近の家は和室も少ないですからね。いろいろなものに挑戦していかないと」と、新しい性能の機械も積極的に導入しています。

最新鋭のプリンターにかける
今後の可能性

 
 
 充実しつつある店の商品の中でも、これから特に広めていきたいのが、オリジナルの障子や襖紙。畳の話からはちょっと離れますが、いまイチオシの商品だそうです。
 最新鋭のプリンターをつかって、におわないインクで作成。好きな写真や絵を利用して、オリジナルの障子や襖絵をつくることができます。パソコン操作担当の奥様が作品をいくつか紹介してくれました。
「業界では一番手だと思いますよ。いろいろな可能性があると思うので、これから広げていきたいです」と誠さん。
 4人のお子さんたちの進路は各自に任せているといいます。とはいいつつ、イラストが得意な娘さんの作品でオリジナル商品もつくれたらなという考えも……。
 職人気質の血は確かに受け継がれていますね。

三谷 誠 氏
三谷たたみ店

三谷 誠 氏

Profile
店名三谷たたみ店
所在地〒258-0019 神奈川県足柄上郡大井町金子1836
TEL0465-83-4445
ホームページhttp://mitani-tatami.com/
https://mitani-original.com/

三谷たたみ店の名を広めた技術というのは、寺社仏閣で使われる有識畳を仕上げること。紋縁とも呼ばれ、縁の紋様のつながりが、角などでもきっちりきれいにおさまっているもの。手に負えない同業者からも依頼がくるそうです。







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