コロナ禍が教えてくれました
「縁があって急遽ホームページを作ることが出来たんです。そしてネットショップも併設しました。」と脇本社長。神奈川県の再起支援型の補助金を利用して自社事業をホームページで幅広く公開し、長年培ってきた経験と技術を活かしたオリジナル商品を作りあげました。先ずはマスクボックスです。今後も当たり前のように日常家族が使うマスク、取り出す箱が木箱だったらそれだけでも柔らかさを感じることができます。
コロナ禍になる2年ほど前までは少しづつではあるが、売り上げは伸ばしてきていたとのこと。「ウチは固定の取引先がほとんどで、そこからの受注で十分だったんです。いわゆるB to B事業。良くもなく悪くもなく、普通といった感じで真面目に過ごしてきました。それがコロナ禍により、具体的にいうと箱根などの観光客が激減した結果、お土産が売れなくなり、ウチが提供するような製品や部品も全く動かなくなる状況に出くわしました。こりゃーやばい!!と感じた時に、ふと振り返った時に、自社を紹介する物が何もなかったんです。自社オリジナル商品もなければパンフレット、ホームページはもちろんSNSも全く利用していませんでした。ここで初めて開成工芸の今後の進み方を考えました。
自社最大の設備であるNC旋盤は複雑な加工も正確に切り出してくれます。2台あるNC旋盤中心に私たちの手作業技術を更に融合させ、開成工芸オリジナル製品を棚に並べる環境を整えたんです。」
開成工芸を覚えてもらうためにロゴもつくりました。自社完結の商品開発から製造、販売ラインができたことで開成工芸の今後が面白くなってきた感じがします。
そういえば小さいころ各家庭にあった木の薬箱、いつの間にかあまり見なくなりました。開成工芸さんにお伺いし、どこか安心感を覚えたのは薬箱を見かけたからかもしれません。
「正直コロナ禍の影響は今後どこまで続くのか読めません。やはり自立して販売していける環境とノウハウは必要だとおもいます。最低限の環境は整いました。スタートはこれからですが、積み重ねていかなければいけませんね。」
どういう展開をするのかと聞いたら「食品ロスじゃないけどうちは端材ロスを減らすのが一番効率よいですね。」と大量にでる端材を二次加工し、スマホスタンドや女性や子供が好む小物類や台所製品を意見を聞き、企画製作販売してみます。」
販売状況を見極め状況に応じて次の商品を並べてみる。「模索状態ではありますけどフットワーク利かせて展開していきます。」と力強くおっしゃってました。
小さな町から小さなおもしろい木工製品誕生してきそうです。開成工芸さんの今後が非常に楽しみです。