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林 晃一 氏 – 足柄人〜あしがらびと〜 足柄地域で頑張る企業人を応援します!
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町を盛り上げるため商工会の制度を利用された方々をご紹介します。

“ものづくり”は“ひとづくり”から。

 
 
株式会社リンショーは、マシニングセンター・CNC旋盤等の工作機械で、iPS細胞研究用の顕微鏡や、半導体製造装置等の最先端機器に使用される部品を製造する会社です。神奈川・山形の2工場で、試作~量産品、短納期に対応できます。創業1954年(昭和29年)からの知恵と技術で、精密部品加工のエキスパートとして日本の「ものづくり」に貢献しています。
今回は、体育大学出身という頼もしい専務取締役の林晃一さんにお話をうかがいました。

創業以来、「現場主義」~技術と品質で信頼を築きます~ を理念に、精密切削加工をおこなってきたそうです。60年を超えて蓄積されたノウハウと、最新の機械を活用した、高精度で高品質な製品が、お客様からの信頼を得て、営業ゼロ人でも仕事をいただけているとか。まさに技術が仕事を引き寄せているのでしょう。

また、「“ものづくり”は“ひとづくり”から」の考えのもと、社員を、製品を機械に脱着し生産をあげるだけの「作業者」から、機械を使いこなして図面に倣った製品の製造をおこなえる「技能者」への育成に力を入れてきたといいます。未経験者から育った技能者が増加中で、現在、従業員15人中10人が技能者であり、この、高いニーズに応えられる技能者集団がリンショーの強みだといいます。

投げ出さずに、
何度もアプローチをくりかえす。

 
 
最先端機器に係るという事は、一切の「妥協を許してはいけない」という事。経験と技術があっても、新しい物を作り続ける為には「いつも挑戦者」であるという事。現場の先端で「ものづくり」に係っている私たちは「常に正直でなければいけない」という事。掌にこの言葉をにぎりしめ、最先端機器に係る責任を心に受け止め、日々、製作現場に向かっているそうです。

創業者である代表取締役の林昇さんが『「ものづくり」の難しさ』について語ってくださいました。

「取引先ニーズは、少数多ロットに対応し、高精度・高品質・低価格といった、結局のところ昔から大きく変わらないという事がわかる。至るところ「日々進化する製造業に終わりはない」からである。他社との比較優位性を説明するとして、正直「絶対に当社がいちばんです」とは簡単にいえない。それぞれに得意分野があり、独自の技術を有しているからである。
しかし、当社で手掛ける「最先端試作開発品」に関しては話が少し変わる。それらは、その形・大きさ・材質などは統一性がなく、ユーザーも使われ方も多岐に渡る。
待ち構えてできるものではなく、製品づくりに取り掛かるたびに「そこには壁が立ちはだかる」。丸1日取り組んで失敗して、売り上げがゼロの日があったりして悔しくて眠れない日もある。「どうクリアしていくか」という悩みは毎日付きまとう、夢の中にまで出てきて、「あっ!この方法なら出来る」と夜中に飛び起きる事だってある。そのような毎日の中、新しい製品は生まれていくのである。この苦しみ(あるいは楽しみ・やりがいにつながる)が何よりもいちばんの大きな課題である。
現場人間である私は「できない」という言葉を使いたくない。その為、他社が「できない」と言って投げ出した製品にも向き合い、なんとか形にしてきた。プログラムの入力も、計算も間違っていないのに加工熱による変形や、応力によって失敗することもある。失敗を繰り返しても丁寧にその原因を探し出し、何度もアプローチを繰り返す。これこそが「ものづくり」の本質だと思う。おそらく投げ出した他社も、努力すればできたかもしれない。私は投げ出さなかった、そしてそれを続けてきた。ただそれだけである。」

日本の「ものづくり」の真髄。

 
 
グローバルな競争社会の中、人件費の安い海外での生産拠点移設が進んできています。しかし日本は資源国ではない上、ものづくりを海外へ移行することで、会社が減り、技術力が下がって、空洞化が起きていることが心配だそうです。
「力をつけた海外メーカーが進出し追い越される日は、もうすぐそこまで来ているのではないか。国内の製造業が立ち上がり、本来の「Made in Japan」を取り戻すのは今しかない。当社は一丸となって「ものづくり」に取り組む」と専務が力強く語ってくださいました。

近年、開発競争はいっそう激化し、突然かかって来た電話に「今すぐ見積り出せる?」の声、対応して間もなく…次の電話で「すぐ欲しい、いつできる?」…製品化までの時間は減り、量産に入る事なく、すぐにまた次世代の開発をする繰り返しー。時代のニーズに応えるには、スピード、精度、価格に特化した、融通の利く製造現場を目指さなくてはならないそうです。

試作開発品の受注が増えると共に生産プロセスの改善が必要になります。それは特急品の依頼で生産の優先順位が日々変わるからです。そこで、リンショーではホワイトボードを活用して「生産の見える化」をおこない、「毎日」是正箇所を見つけて「効率化」を計っているとか。社員全員の意思の疎通と取引先様への対応が速くなりそうです。
今後「試作品受注の拡大」に伴い「生産プロセスの複雑化」が考えられているそうですが、日々の小さな「改善」が、未来のリンショーを支えていくのだろうと、日本の「ものづくり」の真髄を垣間見た気がしました。

林 晃一 氏
株式会社リンショー

林 晃一 氏

Profile
社名株式会社 リンショー
所在地〒258-0017
神奈川県足柄上郡大井町西大井13-5
TEL0465-83-2535
メールアドレスrinsho@energy.ocn.ne.jp
ホームページhttp://rinsho-japan.com/
営業時間日曜・祭日・土曜日の午後・他

“ものづくり”は“ひとづくり”からの考えのもと、社員を、製品を機械に脱着し生産をあげるだけの「作業者」から、機械を使いこなして図面に倣った製品の製造をおこなえる「技能者」への育成に力を入れている